ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の大谷翔平 (Shohei Ohtani) が、ポストシーズンに向けて自身の起用法に変化がある可能性を示唆した。チームはまだナショナル・リーグ西地区の優勝を正式に決めてはいないものの、ポストシーズン進出はほぼ確実と見られている。
大谷翔平、無安打投球と50号弾の衝撃
ドジャースはフィリーズに敗戦も、大谷が唯一無二の存在感
火曜日の夜はロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)にとっては厳しい一夜となったが、大谷翔平 (Shohei Ohtani) にとっては輝かしい夜だった。ドジャースはフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)に9-6で敗れた一方で、大谷は5回を無安打に抑える快投を披露し、さらにシーズン50号本塁打を放った。
「5回無安打投球をしながら、同じ試合で50号本塁打を放つ」――まさに常識を超えた数字であり、比類なき存在であることを改めて示した。
ドジャースの課題と光明
救援陣の不安定さと充実の先発陣
今季を通してドジャースはブルペンに不安を抱えており、とりわけ直近の試合でその問題が顕著になっている。一方で先発陣はここ数年で最も健康な状態にあり、6人ローテーションを採用中だ。大谷に加え、タイラー・グラスノー (Tyler Glasnow)、クレイトン・カーショウ (Clayton Kershaw)、エメット・シーハン (Emmet Sheehan)、ブレイク・スネル (Blake Snell)、山本由伸 (Yoshinobu Yamamoto) が揃う。
その中で6番手を務めるシーハンは、65回1/3で76奪三振、防御率3.17と安定感を示している。
ポストシーズンの投手陣再編
先発の一部を救援に回す可能性も
ナ・リーグ西地区首位のドジャースが10月にどのようなローテーションを組むかは依然不透明だ。しかしブルペンの不安定さを踏まえれば、ポストシーズンではローテーションから外れる先発を救援で起用する可能性が高い。カーショウやシーハンのような実力者を10月のロースターから外すのは現実的ではない。
大谷の救援起用案
WBCを思わせるシナリオも
一部では大谷を救援で起用する可能性も取り沙汰されている。過去には、2年前のワールド・ベースボール・クラシック決勝戦でマイク・トラウト (Mike Trout) を空振り三振に仕留めて世界一を決めたシーンが記憶に新しい。
ただし、メジャーリーグで大谷を救援に回すことは単純な話ではない。先発時と異なり、救援登板ではロースターの調整や起用法に複雑な工夫が求められるからだ。
大谷翔平、救援起用と外野出場の可能性に言及
DHルールの制約とポストシーズンでの選択肢
MLBのルールでは、先発投手として降板した後も大谷翔平 (Shohei Ohtani) はDHとして試合に残ることができる。しかし救援投手として起用する場合はDH制を放棄しなければならず、とりわけポストシーズンで大谷の打棒を失うことはドジャースにとって大きな痛手となる。そこで大谷を外野手として起用する可能性が議論されていることを、大谷自身が火曜日に認めた。
大谷のコメント
「救援登板だけでなく外野守備の可能性も」
大谷は記者団に次のように語った(Dodgers Nationほか)。
「いろいろな人と話をしていて、その中で(救援登板)の話も出てきました。それはマウンドだけでなく外野の可能性も含みます。もしリリーフとして投げることになれば、その後の展開によっては外野守備に就く必要がある場面もあるかもしれません。どんな状況になっても対応できるよう、準備しておきたいです。」
過去の外野起用例
日本時代とエンゼルス時代の実績
大谷は日本ハム時代に外野で64試合に出場しており、その多くは2013年のことだった。
メジャーではロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)時代の2021年に外野で7試合(計8回1/3)に出場したが、守備機会はなかった。
なお、2022年のルール改正以前は、先発投手として降板した時点でDH制を放棄せざるを得なかったため、エンゼルスは大谷を外野に回すことで打席を確保する措置を取っていた。
大谷翔平、救援起用なら「クローザー案」が有力視
DHを維持しつつ終盤に投入するシナリオ
もしロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)が大谷翔平 (Shohei Ohtani) を救援で起用するなら、最もシンプルなのは「クローザー」としての登板だ。
大谷を試合開始時にDHで先発出場させ、最終回に抑えとして登板させれば、DHを放棄する必要もなく、外野起用を考える必要もない。仮に大谷がリードを守れず試合が続いた場合に初めて、DH喪失や外野守備の問題に直面することになる。
ロバーツ監督の見解
外野守備は準備していないが大きな障害ではない
デーブ・ロバーツ (Dave Roberts) 監督は、大谷が外野守備の準備を特別に行っているわけではないと認めた。ただし、大谷には外野経験があり、フルで9イニングを守らせる必要はなく、救援登板後に1~2イニング外野に就く程度が現実的と見られている。
大谷の今季成績とMVPレース
打撃でも投球でも圧倒的存在感
大谷は今季、打率.282/出塁率.395/長打率.611、50本塁打をマーク。投手としても41回を投げ、防御率3.29、54奪三振を記録している。
項目 | 数値 |
---|---|
打率 | .282 |
出塁率 | .395 |
長打率 | .611 |
本塁打 | 50 |
投球回 | 41回 |
防御率 | 3.29 |
奪三振 | 54 |
大谷はMVP争いでも圧倒的優位に立っており、DraftKingsのオッズは -10000。通算4度目のMVP受賞が濃厚で、歴代ではバリー・ボンズ (Barry Bonds) の7度に次ぐ史上2位となる可能性が高い。
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