ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の二刀流スーパースター、大谷翔平(Shohei Ohtani/ショウヘイ・オオタニ)は水曜夜、投手としては初めて古巣ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)と対戦し、活躍を見せたがチームとしては痛すぎる敗戦となった。
大谷がエンゼルスタジアム(Angel Stadium)のマウンドに立つのは、エンゼルス在籍時の2023年8月23日のシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)戦以来だった。
大谷はその登板で2回に肘の故障で降板し、後にトミー・ジョン手術が必要となった。この手術からの回復過程により、大谷はドジャース加入初年度の2024年シーズンには投手として登板できなかった。(それでホームラン王なのだから意味がわからないのだが…)
昨季はビジターとして初めてエンゼルスタジアムでプレーはしたものの、その時はドジャースの指名打者(DH)として出場し、登板はしていない。
試合前、ドジャースのデーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督は、大谷の登板を5回までに制限する方針を示していたが、球数の増加と4回のエンゼルスの反撃が重なり、大谷はその回数制限に達することはできなかった。
初回表の先頭打者三塁打で自ら口火を切り、初球を投げる前に3点の援護を得た大谷は、その後マウンドで以下の内容の投球内容を見せた。
この日自己最多となる今季80球を投げ、そのうち50球をストライクとした。
14個の空振りを奪うことに成功した一方で、6本のハードヒット(Statcast基準で時速95マイル=約153km/h以上の打球)も許した。初回裏、大谷は先頭打者のZach Neto(ザック・ネト)を三振に仕留め、試合の幕を開けた。
大谷は1900年以降で唯一、先頭打席で三塁打を放ち、その同じ試合で初めて対峙した打者を三振に取った先発投手となった。
そして初回裏、二死の場面で大谷は、かつてのエンゼルスの同僚であり、三度のMVPに輝いたMike Trout(マイク・トラウト)と対戦。両者が最後に相まみえたのは、2023年ワールド・ベースボール・クラシック決勝戦で、日本代表の大谷がトラウトをスイーパーで空振り三振に仕留め、優勝を決めた場面だった。

名場面を思い出した!アイコンタクトしてたのもいいね!!



名場面を思い出す名場面ってなかなかないよな。
この日、大谷はトラウトに対し、最初の5球をすべて98〜99mph(約158〜159km/h)のフォーシーム・ファストボールで攻めた。フルカウントまで持ち込み、最後は再びスイーパーを投げ込み見逃し三振。トラウトは完全に手が出ずにフリーズ。そしてお互い微笑みあっていた。まさにスーパースター同士の戯れである。
まるでWBC決勝の再現のような対決だった。(めちゃくちゃかっこよかった!!)
2回は、大谷翔平(Shohei Ohtani)にとって厳しい内容となった。ソロ本塁打と二塁打を許し、さらに2本の鋭い打球を浴び、この回だけで2失点を喫した。
4回には再びMike Trout(マイク・トラウト)と対戦。今回は101mph(約162km/h)のフォーシームをアウトコース低めいっぱいに投げ込み、見逃し三振に仕留めた。
トラウトということを意識していたのだろうか?精密機械のような投球だった。
5回に入ると、大谷の球数は急増。球速は依然として最速レベルを維持していたが、制球面で苦しむ場面が目立った。
1死、スコアはドジャースが5-2とリードする中、Zach Neto(ザック・ネト)が打席へ。ネトは同点の可能性を秘めたチャンスで登場し、この打席が大谷のマウンドでの夜を終わらせることとなった。
そこからは、ドジャースのブルペンが1点リードを守る展開となったが、8回にエンゼルスが反撃。Logan O’Hoppe(ローガン・オホッピー)が放ったライナー性のタイムリーで2点を加え、逆転に成功。このリードを最後まで守り切った。
そして9回はクローザーのKenley Jansen(ケンリー・ジャンセン)が登板し、通算470セーブ目をマーク。
これでエンゼルスは、ドジャースに対して7連勝となった。
同日早くには、前年王者のドジャースがナショナルリーグ西地区(National League West)で首位から陥落。これは4月28日以来初めてのこと。原因は、サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)がサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)に11-1で大勝したためだ。さらに今回のエンゼルス戦での敗戦により、ドジャースは首位パドレスに1ゲーム差をつけられた。7月3日の時点では、ドジャースが同地区で9ゲームのリードを保っていたことを考えると、この落差は極めて大きい。
ドジャースにとって非常にまずい展開となっているが、このタイミングで首位に躍り出たパドレスとの直接対決が始まる。ダルビッシュも最後の2登板は素晴らしい投球を見せているだけにMLBファンとしても日本人としても絶対に目が離せない展開となりつつある。
ドジャース VS パドレスの直接対決について重要な情報を以下の記事にまとめているのでよかったらこちらもどうぞ!


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