直近8先発で防御率6.56、再建を託すメンドーサ監督の決断。
ニューヨーク・メッツは、苦しむベテラン右腕千賀滉大 (Kodai Senga) をトリプルAに降格させ、再調整を図ることを発表した。先週末のマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)戦で4回2/3を投げ5失点と打ち込まれ、直近8先発で防御率6.56に低迷。球団はローテーションに残すかどうかを明言しなかった。
カルロス・メンドーサ (Carlos Mendoza) 監督は試合後、次のように語っている。
「彼を立て直すことが我々の仕事です。次にどうするか議論は必要ですが、とにかく今は“彼を正しい方向に導くこと”が最優先です。ここまでずっと苦しんでいる。何が次に待っているのか、様子を見ていく必要があります」
千賀は32歳で、5年総額7,500万ドル(約113億円)の契約3年目を迎えている。
メッツ加入前は日本の福岡ソフトバンクホークスで11シーズンを投げた実績を持つ。
契約条項の一部として、マイナー降格には本人の同意が必要となっており、今回のトリプルA降格も千賀自身が承諾したものだ。これは海外リーグから移籍してきたベテラン選手に一般的に付与される条項である。
有名な識者であるAndy氏もこのようにポストしている。
The relationship between Senga and the Mets is in very good shape. He was included in the discussions about the option, which should last about 2 starts depending how he does, per league sources. He felt respected by the process and consented without issue.
— Andy Martino (@martinonyc) September 5, 2025
千賀滉大、最低15日間のマイナー調整へ ポストシーズン出場資格は維持
MLBの規定では、投手がマイナー降格となった場合、故障者の代替として昇格しない限り、再昇格までに最低15日間を過ごす必要がある。ニューヨーク・メッツが千賀滉大 (Kodai Senga) を他の投手の故障なしで呼び戻せる最短は9月20日(土)、レギュラーシーズン残り2週目の週末となる。この期間で千賀はトリプルAで3度登板し、再調整を図る見込みだ。
今回の降格は、千賀のポストシーズン出場資格には影響を与えない。選手がポストシーズンに出場するには、8月31日午後11時59分(米東部時間)までに組織に所属している必要があるが、千賀は金曜日までシーズンを通じてMLBロースターに登録されていた。そのため、トリプルA降格中でも10月に投げる資格は残る。ただし、実際にポストシーズンのロースターに入る価値があるかどうかは別問題だ。
千賀は先週末、通訳を介してMLB.comを含む報道陣に次のように語っている。
「元の状態に戻るために必死で取り組んでいます。シンプルに言えば、もし復調できればポストシーズンで投げます。もしできなければ、そこに自分の居場所はありません。」
千賀は日本での長年の経験を持ちながら、MLBでは2023年に新人資格があり、166回1/3を投げて防御率2.98、202奪三振を記録し、ナショナルリーグ新人王投票で2位となった。昨季は故障の影響でポストシーズンを含めわずか10回1/3の登板にとどまった。今年はここまで113回1/3で防御率3.02を残しているが、直近は明らかに不調に陥っている。
主力離脱続出のローテーション、若手に託されるメッツの命運
投手 | 備考 |
---|---|
デービッド・ピーターソン (David Peterson/LHP) | – |
千賀滉大 (Kodai Senga/RHP) | トリプルA降格 |
クレイ・ホームズ (Clay Holmes/RHP) | – |
ショーン・マナイア (Sean Manaea/LHP) | – |
フランキー・モンタス (Frankie Montas/RHP) | 右肘故障で2025年シーズン全休 |
グリフィン・キャニング (Griffin Canning/RHP) | アキレス腱断裂で2025年シーズン全休 |
タイラー・メギル (Tylor Megill/RHP) | 右肘捻挫でIL、リハビリ登板中 |
ノーラン・マクレーン (Nolan McLean/RHP) | – |
ジョナ・トン (Jonah Tong/RHP) | – |
ブランドン・スプロート (Brandon Sproat/RHP) | 日曜にMLBデビュー予定 |
メギルは火曜日に行われたマイナーでのリハビリ登板(5試合目)で4回を投げ3失点。次にもう1度リハビリ登板を行うのか、それともメッツに復帰するのかは未定だ。メギルのリハビリ30日間の期限は9月11日(木)に切れるが、その前に昇格させることも可能だ。
メッツ先発陣は、7月1日以降の成績で防御率23位、WAR18位と低迷している。球団はトレードデッドラインで先発を補強せず、代わりにプロスペクトに活路を託した。マクレーンは先月昇格して以来、4先発で防御率1.37と圧巻の数字を残している。トンも先週のデビュー戦で5回1失点と好投。さらにスプロートが今週末にメジャーデビューを果たす予定だ。
メッツは金曜日の試合開始時点で75勝65敗。ナショナルリーグの第3ワイルドカードを保持しており、シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)に5ゲーム差をつけている。この週末には、そのレッズとの3連戦を敵地で迎える。
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