タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)の三塁手が刻んだ歴史的シーズン。
ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアーロン・ジャッジ(Aaron Judge)やシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)のカル・ローリー(Cal Raleigh)といったスラッガーが脚光を浴びる中、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)のジュニア・カミネロ(Junior Caminero)は、MVPに匹敵するシーズンを静かに積み上げていた。
Junior Caminero slugged 45 homers and drove in 110 runs in his first full season 😱
— MLB (@MLB) September 30, 2025
Not bad for a 22-year-old! pic.twitter.com/QpsQgC21MD
将来的に複数回のMVP獲得も期待される新星カミネロだが、全国的な注目を浴びにくいレイズというチームに所属しているため、そのパフォーマンスは過小評価されがちだ。
19歳でメジャーデビューし、21歳で迎えた今季が初のフルシーズン。その年齢で40本塁打以上を記録した選手はMLB史上3人目であり、カミネロはその歴史的瞬間に名を連ねた。StatMuseによれば、同じ21歳シーズンでの40本塁打超えは、殿堂入りのエディ・マシューズ(Eddie Matthews/1953年に47本)、ロナルド・アクーニャ・ジュニア(Ronald Acuña Jr./2019年に41本)に続く快挙だ。
見落とされがちなスタッツの数々
カミネロは2025年に飛躍的な成績を記録
ジュニア・カミネロは、静かに、しかし着実にリーグ屈指の打者としての地位を確立した。今季154試合(そのうち148試合が三塁での出場)で記録した主な打撃成績は以下のとおり:
項目 | 成績 |
---|---|
打率(BA) | .264 |
出塁率(OBP) | .311 |
長打率(SLG) | .535 |
OPS | .846 |
OPS+ | 131 |
本塁打(HR) | 45本(ア・リーグ3位) |
打点(RBI) | 110(ア・リーグ5位) |
※OPS+はリーグ平均を100とし、それを上回るほど優秀とされる指標。カミネロの131は平均より31%優れていることを示す。
長打率はアスレチックスのシェイ・ランギリアーズ(Shea Langeliers/.536)にわずか1ポイント差でリーグ6位に位置するなど、純粋な長打力ではトップクラスの数値を記録している。
将来的に60本塁打も視野に?
自信をのぞかせる21歳のスラッガー
ローリーが今季60本塁打を達成し、MLB史上7人目の快挙を成し遂げたことを受けて、次にその大台を突破するのは誰かという議論が巻き起こっている。
フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)のカイル・シュワーバー(Kyle Schwarber)は今季56本で最有力候補の一人だが、カミネロもそれに匹敵するポテンシャルを秘めている。MLB.comのアダム・ベリー(Adam Berry)氏とのインタビューで、カミネロは次のように語っている:
「今年できなくても、これが自分にとって最初のフルシーズン。だから、そのうち達成できると思っている。50本、60本打てる力はあるし、今年じゃなかったとしても、神様のご加護があれば、将来的にきっと実現できる。」
通訳のエディ・ロドリゲス(Eddie Rodriguez)を通して語られたこのコメントからも、カミネロの揺るぎない自信がうかがえる。
この年齢でこれほどのパワーを発揮している以上、カミネロが60本塁打を記録する日が来るのも時間の問題かもしれない。さらには、アーロン・ジャッジが2022年に打ち立てたア・リーグ記録(62本)を更新する可能性すら秘めている。
将来のMVP候補から目を離すな
全国的な注目が集まる日は近い
メディアの注目こそ限られているが、カミネロは確実にメジャーを代表する打者へと成長している。今後のシーズンでMVPレースに名乗りを上げるだけでなく、ホームラン王争いや歴史的記録の更新も視野に入るだろう。
タンパベイ・レイズという球団の性質上、目立ちにくい存在ではあるが、その数字とパフォーマンスは確実に本物だ。
カミネロのキャリアが今後どのように展開していくか。静かに、しかし確実に歴史を塗り替えつつある若きスラッガーから目が離せない。
コメント