2025-26年MLB|FA市場トップ10を徹底分析!|タッカー、ブレグマン、ベリンジャーら大型契約候補をランキング形式で紹介!

メジャーリーグのレギュラーシーズンは終盤戦に突入し、カレンダー上では残りおよそ1か月半。
まもなく視線はポストシーズン争いに完全に注がれることになるだろう。

しかし、その前に一度だけ、今オフのFA市場がどのような顔ぶれになりそうかを整理しておきたい。
以下は、推定平均年俸(average annual value)の高い順に並べた「現時点でのトップ10フリーエージェント候補」の評価だ。

なお、このランキングはオフシーズン到来時には大きく変動する可能性が高い。
選手のパフォーマンス、ケガの影響など要因はさまざまだ。

目次

1位 カイル・タッカー(Kyle Tucker|外野手|シカゴ・カブス)

タッカーは6月に負った指のケガが影響している可能性もあり、今季はややスランプに苦しんでいる。
それでも、このFAクラスにおいて総合的な価値は依然としてトップだ。

彼は「Black Ink Test」(統計リーダーボードのトップに何度名前が載るかを測る指標)を満たすタイプではなく、各種ランキングの最上位に頻繁に顔を出すわけではない。

だが、打撃・走塁・守備のすべてで平均を大きく上回る実力を備え、直近5シーズン中4度目となるWAR5以上の達成が見込まれている。

これまでFA市場で年俸4,000万ドル(約64億円)以上の契約を結んだ外野手は、フアン・ソト(年俸5,100万ドル)とアーロン・ジャッジ(年俸4,000万ドル)の2人だけ。
タッカーは史上3人目となるその金額帯に到達する可能性を秘めている。

2位 アレックス・ブレグマン(3B/ボストン・レッドソックス)

このオフにレッドソックスと結んだブレグマンの3年契約は、実質的にシーズン終了後に$4,000万(約62億円)の年俸を放棄し、FA市場へ再び挑むことが可能な構造だ。

今季のブレグマンは、引っ張り方向へのフライボール率とハードヒット率(95mph=約153km/h以上の打球割合)がいずれもキャリア最高ペース。特にハードヒット率は昨年から約7%も上昇しており、この勢いを背景に長期契約を狙う可能性が高い。

高いコンタクト能力と選球眼に加え、打球質の向上が顕著な今季のパフォーマンスは、来オフの契約交渉で間違いなく大きな武器になるだろう。

3位 コディ・ベリンジャー(OF/ニューヨーク・ヤンキース)

ベリンジャーは来季、年俸$2,500万(約38億円)のプレイヤーオプションを保持しているが、3年連続でリーグ平均以上の成績を残している現状を考えれば、それを破棄してFA市場に出る可能性は高い。

打撃面では、かつての純粋なExit velocity(打球速度)の追求よりも、ストライクゾーン内でのコンタクト率向上を優先するスタイルへと完全にシフトした。長打の多くは引っ張り中心のアプローチから生まれているが、この傾向は左打者に不利な球場では本塁打数の減少につながるリスクもある。

それでも、ベリンジャーの魅力は打撃だけにとどまらない。一塁、両翼、さらには中堅もこなせる守備力を備えた万能型のディフェンダーであり、この守備価値は市場評価を押し上げる重要な要素となるだろう。

4位 フランバー・バルデス(LHP/ヒューストン・アストロズ)

バルデスは、おそらく昨オフにニューヨーク・ヤンキースとマックス・フリードが結んだ8年総額2億1,800万ドル(約327億円)の大型契約に注目しているはずだ。FAまでの直近3年間の成績を比較すると、ERA+(リーグ平均比防御率)や奪三振—与四球比率ではフリードに軍配が上がる一方、バルデスはより多くの投球回を積み重ねている。

この「耐久性」が評価されれば、バルデスも平均年俸2,700万ドル(約40.5億円)超の長期契約を勝ち取る可能性は十分にある。ただし、仮にそこまで届かなくても、1イニングあたり1奪三振を記録し、さらに60%という驚異的なグラウンドボール率を誇る「安定して平均以上の左腕」として、多くの球団にとって魅力的な存在であることは間違いない。

5位 ボー・ビシェット(SS/トロント・ブルージェイズ)

ビシェットは来年3月に28歳の誕生日を迎える予定で、このFA候補トップ10リストの中で最年少だ。
昨季の不調から見事に立ち直り、再び高いコンタクト能力と20本塁打超の長打力を示している。

一方で守備面については評価が分かれる。遊撃手としては一貫して平均以下の指標を記録しており、この冬のFA市場では二塁手としての起用を検討する球団が出てきても不思議ではない。ただし、少なくとも短期的にはポジション変更が必須というわけではなく、その可能性が交渉の流れや評価基準に影響を与える程度だろう。

6位 ピート・アロンソ(1B/ニューヨーク・メッツ)

またしてもアロンソ論争の季節がやってきた。
今季はOPS+で自己最高を更新する可能性が高く、2400万ドルのプレーヤーオプションを行使する見込みは低いだろう。

しかし、それは昨オフのFA市場で彼を悩ませた“亡霊”を完全に振り払ったことを意味しない。

前の彼なら当たり前だったような超大型の長期契約を引き出せる保証もないのだ。右投げ右打ちの30代で一塁手という典型的なプロフィールに加え、三振率が改善したにもかかわらずゾーン内コンタクト率が約6%低下しているという懸念材料もある。このため、年俸2700万~3000万ドル程度の短期契約に落ち着く可能性が高いと見られる。

7位 ディラン・シース(RHP/サンディエゴ・パドレス)

今季、シースはこの冬の先発投手FA市場の目玉としての地位を確固たるものにする絶好のチャンスを手にしていた。しかし現時点では、その期待に完全には応えられていない。それでも、持ち前の威力のある球威と優れた指標が評価され、相応の大型契約を手にすることは間違いないだろう。

忘れてはならないのは、昨オフにウォーカー・ビューラーが今季成績や健康面でシーズより劣る状況にもかかわらず2100万ドルの契約を勝ち取った事実だ。この比較を考えれば、シーズがそれを大きく上回る額を手にする可能性は高い。

8位 レンジャー・スアレス(LHP/フィラデルフィア・フィリーズ)

マックス・フリードの大型契約は、左腕スアレスにとっても大きな励みとなったに違いない。
投球内容やイニング消化量の面ではフランバー・バルデスには及ばないものの、スアレスは確実に平均以上の先発投手であり、今季は投球スタイルの微調整が功を奏している。

具体的には、カーブとフォーシームの割合を減らし、その分チェンジアップとカッターの使用頻度が圧倒的に増加。この配球変更により、ゴロ率はやや低下したものの、より弱い打球を打者に打たせることに成功している。

9位 エウヘニオ・スアレス(三塁手/シアトル・マリナーズ)

キャリア2度目の40本塁打シーズンに向けて順調に数字を積み上げているスアレスは、トレード期限で移籍した中で最もインパクトのある打者だった。とはいえ、この冬は夏場以上に細かく評価されることが予想される。

特に34歳という年齢、スイング時の空振りの多さ、守備面での不安要素などが球団側のチェックポイントとなるだろう。

過去5年間で年俸2,000万ドル超の契約を結んだ三塁手は、アレックス・ブレグマンとクリス・ブライアントの2人だけだが、スアレスも短期契約でそのリストに加わる可能性がある。

10位 カイル・シュワーバー(外野手/DH/フィラデルフィア・フィリーズ)

シュワーバーは、このオフシーズンにおける非常に興味深い存在だ。
30歳を超えると、ほぼ打撃専任で三振の多いタイプに対しては、球団は通常大型契約を避ける傾向がある。
しかし今季、彼はキャリア屈指の好成績を残した状態で市場に出てくるだろう。

さらに、シュワーバーはこれまでに圧倒的なパワー、バレルコントロール(芯で捉える能力)、そして選球眼で高い実績を誇ってきた。指名打者として年俸2,000万ドルを超えた選手は、特例中の特例である大谷翔平を除き前例がないが、シュワーバーは今オフ、その“天井”を破る最有力候補と言える。

シェアしていただけたら嬉しいです!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次