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アーロン・ジャッジ、逆転劇の口火を切る値千金の同点3ラン

ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)は、アメリカン・リーグ・ディビジョンシリーズ(ALDS)でトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)に苦しめられてきたが、アーロン・ジャッジ (Aaron Judge) だけは例外だった。火曜日夜に行われた第3戦、キャプテンのジャッジは左翼ポール直撃の同点3ラン本塁打を放ち、6対1のビハインドからの逆転劇に火を付けた。最終的にヤンキースは9対6で勝利し、一時は崖っぷちに立たされていたシリーズの第4戦へと持ち込んだ。

目次

ALDS第3戦、逆転劇の口火を切る値千金の同点3ラン

「いい感触で打てたから、フェアゾーンに残る可能性はあると思った」とジャッジは試合後に語った。「ただ、風でファウルになったり、スライスしたりするかもしれないから確信はなかった。でも、おそらく“何か”があのボールをフェアに保ってくれたんじゃないかな。」

この本塁打は、2025年ポストシーズンにおけるジャッジの第1号であり、同時に彼にとって「チームが敗退の危機にある試合」での通算6本目の本塁打となった。これは、殿堂入り打者であるデビッド・オルティーズ (David Ortiz) の記録に並び、MLB史上最多タイである。

以下は、ジャッジが本塁打を放った際のチームの成績:

状況試合数勝利数敗戦数
敗退の危機でジャッジが本塁打642

ヤンキースのキャプテンであるジャッジは、これまでのポストシーズンで数多くの重要な局面を経験してきたが、今回の一発は「ヤンキースの象徴」としての地位を確立する決定打とも言える内容だった。

特に価値が高いのは、そのタイミングと文脈である。チームは第3戦で早くも5点差を背負い、敗退の可能性が色濃くなっていた中で、同点に追いつく3ランを放ったことは、チームにもファンにも大きな精神的支柱となった。

“特別な選手の、特別な一発”

ジャッジが放った一撃は、史上最速&最深部からの本塁打記録を更新

アーロン・ジャッジ (Aaron Judge) が放った第3戦の同点3ランは、まさに“特別な選手”にしか打てない特別な本塁打だった。
Statcastのデータによれば、時速約160.5km(99.7 mph)の速球をスタンドに運んだのは、ジャッジにとってキャリア最速の「本塁打にした球速」だっただけでなく、内角わずか約36.6cm(1.2 feet)というこれまでで最も内側のコースからの一発でもあった。

この記録は2008年にピッチトラッカーが導入されて以来、「最も内角かつ最速の球を本塁打にした」唯一の事例となった。

「その瞬間に集中しているだけさ。目を信じて、スイングを信じる。」
「ゾーンの球なら全部打てる気がしている。一番大事なのは“タイミングに間に合うこと”。
結局、打撃ってのはタイミングなんだ。」
—— アーロン・ジャッジ

トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)のジョン・シュナイダー監督 (John Schneider) も、ジャッジのスイングについて簡潔にこう評した。

「あれは狂気のスイングだった。」

MLBblog.jp管理人

マジで震えた。いくらなんでも強打者すぎる。

長年の批判を打ち破る夜。
ポストシーズンでの“物足りなさ”に終止符を打つパフォーマンス

ジャッジは長らく「ポストシーズンでの存在感の薄さ」を指摘され続けてきた。それは決して不当な批判ではない。2025年ポストシーズン開幕前の時点で、通算57試合に出場し打率.199/出塁率.313/長打率.435という成績は、レギュラーシーズンの圧倒的なパフォーマンスと比較して物足りないものだった。

今季のポストシーズンでも、第3戦までは18打数8安打(.444)と打率は高かったものの、そのうち7本がシングルで、「試合を変えるようなインパクト」はまだ乏しいという評価がついていた。

しかし、ついにその流れを変える瞬間が訪れた。

ジャッジはこの日、4打数3安打。まずはタイムリーツーベースで6-2まで追い上げた後、歴史的一発で試合を振り出しに戻した。これにより、今ポストシーズンの成績は下記のように一気に跳ね上がった。

試合数打率出塁率長打率出塁数アウト数
6試合.500.577.72715回11回

相手チームに「一人で試合を変える」存在と認識された証拠

第3戦の第6回、ブルージェイズは一死ランナーなしというシチュエーションにもかかわらず、ジャッジを敬遠した。これは明確に「彼一人で試合の流れを変えうる」と恐れていた証拠であり、結果的にその直後に保険点が入る展開となった。

さらに、攻撃面だけでなく守備でも存在感を発揮。アンソニー・サンタンダー (Anthony Santander) の放ったライナー性の打球に対してダイビングキャッチを披露し、確実にヒット、もしくは得点となり得る打球を奪った。

MLBにおいて「一人で試合を支配する」ことは極めて稀である。しかし、この試合におけるジャッジは、まさにその稀な例外だった。ヤンキースのキャプテンが放った一打は、ただの同点弾ではない。長年にわたるポストシーズンの課題、そして周囲の評価さえも、打ち破る力を持っていた。ジャッジは今、真の意味で「秋の英雄」へと進化を遂げようとしている。

かっこよすぎるので別角度からも…。

ヤンキース、歴史的な逆転で運命をつなぐ

5点差逆転は球団ポストシーズン史上2番目、ジャッジが導いた運命のGame 3

ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)が第3戦で見せた5点差からの逆転劇は、球団のポストシーズン史において2番目に大きなカムバックだった。最大の逆転は1996年ワールドシリーズ第4戦、アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)戦における6点差逆転に次ぐ記録である。

さらに、この逆転劇はMLBポストシーズン史上、敗退の可能性がかかった試合(エリミネーションゲーム)における3番目の逆転記録でもある。

また、ヤンキースはALDS(アメリカン・リーグ・ディビジョンシリーズ)でスウィープ(全敗)されたことが一度もない。シリーズ0勝2敗の崖っぷちから臨んだGame 3でも、通算4勝0敗という無敗神話を継続した。

ジャズ・チザムJr.の決勝弾と継投の勝利

ブルペン陣が6回2/3を無失点、全員野球で繋いだ価値ある勝利

5回、ジャズ・チザムJr. (Jazz Chisholm Jr.) が放ったポストシーズン初本塁打が、ヤンキースに決して譲らなかったリードをもたらした。そしてその後は、5人の救援投手が6回2/3を無失点に封じる完璧な継投リレーを完成させた。

特筆すべきはデビン・ウィリアムズ (Devin Williams) の登板だ。彼にとって2023年5月以来となる4アウト登板であり、まさにポストシーズン特有の“総力戦”を象徴する起用だった。

この日のヤンキースは、打線全体、そしてブルペン全員が重要な役割を果たし、チームとしての完成度の高さを示した。

それでも主役はジャッジ

「Game 3で違いを生み出せなければ、Game 4はなかった」

とはいえ、この試合における最大の主役はやはりアーロン・ジャッジ (Aaron Judge) だった。
ジャッジがこの試合で“違い”を生まなければ、Game 4は存在しなかった。それほどまでに、彼のパフォーマンスは絶対的で決定的だった。

ジャッジはレギュラーシーズンでも、毎年のようにチームを背負って長期間の好成績を維持してきたが、それを「10月」にも実現した形だ。
今や、ヤンキースはもう一試合、生き延びた。そしてそれは、キャプテンが真に“キャプテンシー”を示したからに他ならない。

アンバイア目線も本当にすごい。かっこいい…。


最近読者が増えてきてくれて嬉しい筆者です。
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