本記事では、Statcastと信頼できる英語ソースから取得した最新データ(2025年8月4日現在)をもとに、2025年シーズン、アメリカンリーグのサイ・ヤング賞候補を徹底分析していきます!
1. Tarik Skubal(デトロイト・タイガース)
まず誰よりも先に名前が挙がるのがタイガースのTarik Skubalだ。
身長が高い左腕で、平均97.7 mphを投げる。ダイナミックなフォームから投げ込まれ頻繁に100マイル越えの4シーム(しかも最高レベルの球種の証であるRun Value +9)を軸にシンカー、チェンジアップ、スライダー、どの球種を見ても超一級品。特筆すべきというか、意外と知られていないが彼の投球は32%もチェンジアップが占めている。
ただゴリ押すだけじゃない緩急も自由自在。その投球は圧巻の一言。
言うまでもなくサイヤング候補の最有力候補だ。このままいけば二年連続の受賞ということになる。
2025年シーズンのアメリカンリーグにおいて「支配的」とは彼のためにある言葉なのかもしれない。
ここで念のため下記の指標の意味を書いておく。
FIP:防御率から守備の影響を除いた投手の純粋性能指標
WHIP:1イニングあたり許す走者数(ヒット+四球)が少ないほど優秀
bWAR:打撃・守備・走塁を含む総合貢献度を示す指標
これらは近年のMLBにおいてとても大事な指標、数値になってきますがスクーバルは現時点で
11勝3敗、ERA 2.18、WHIP 0.83、奪三振181、bWAR約3.6
FIP:約1.97、空振りが取れる率(Whiff)33.8%、四球率3.0%
まさに圧倒的。奪三振数もMLB全体で1位です。
対バッターにおいて平均Exit Velocity 約85.9 mph、Hard-Hit率 32.3%、Barrel率 7%
完璧すぎるとしか言いようがないのだが難癖をつけるとしたら200イニングはまだ投げたことないってことくらいかな…。
とはいえイニング数で評価される時代はかなり終わった感あるので現代最強の先発左腕はスクーバルだと思います。
メジャーで最も三振が取れる上にフォアボールも出さない先発投手。

……いやもう誰も敵わないでしょ。解散!



確かにまともに打たれてるの見たことないよな…
いやいやまだまだ可能性を残すとんでもないピッチャーたちもいるから一応見よう!
2. Garrett Crochet(ボストン・レッドソックス)
ほぼスクーバルで決定!という流れを変えられる男がいるとしたらギャレット・クロシェしかいない。
成績:12勝4敗、ERA 2.23、WHIP 1.09、141.1イニングで175奪三振、Whiff31%、BB率6.7%、FIP2.54
元々リリーフから転向した速球派左腕。長い腕を振りインステップ気味に平均97–99 mph(約156–159 km/h)の速球と縦に落ちるスライダーを武器としている。空振り率が高く、奪三振力に優れる。
対バッターにおいて平均Exit Velocity 約87.3 mph、Hard-Hit率37.3%、xwOBA .282、Barrel率7.1%
スターターとしての経験が浅い部分を懸念する声もある、が将来絶対サイヤング獲ってほしい一人ですね!



十分支配的!スクーバルがいなければ…



左バッターが避けながらスライダーがストライクゾーンに決まるシーン何回か見たぞ。あのインステップの踏み込みは絶対嫌だよな。
3. Jacob deGrom(テキサス・レンジャーズ)
みんな大好きデグロム投手。圧倒的にかっこいい!日本でもファン多い気がします。
「デグロムは対打者では無敵なのに対ケガだとやられる」なんて冗談を言っていたアメリカのニュース番組がありましたがそのイメージはやはり払拭できていません。まさに「地上最強右腕(ケガさえなければ)」。
上の二人には及びませんが現時点での成績がこちら。
勝敗:10勝4敗
防御率(ERA):2.80
投球回(IP):128.2イニング
奪三振数:135
WHIP:0.94
FIP:3.35
対バッターにおいて平均Exit Velocity:89.6 mph(約144 km/h)、Hard-Hit率:40.4%、Barrel率:8.2%
フォーシームの平均速度:97.4 mph(約157 km/h)、SwStr%(空振り率):30.9%、CSW%(見逃し+空振り率):53.6%



やっぱり上の二人に比べると成績は物足りなさが否めないけど数字だけじゃ語れない魅力がデグロムにはあると思う!



復活してくれただけでも嬉しい投手ランキング1位なのは間違いない。
4. Hunter Brown(ヒューストン・アストロズ)
ブラウンはシンカー中心のいわゆるゴロを打たせる投手です。カーブやシンカーを使用して、フライよりもゴロでアウトを奪うスタイル。
また、ここまでで22試合の登板で131イニングを投げている点もスタミナ面の信頼性があるといえる投手と言えるでしょう。
とにかくゴロを打たせる能力が非常に高く、球種を効率よく混ぜて投げるのが功を奏しているというデータもあり、今後200イニング到達も視野に入ってきている。
課題は打者を四死球率が7.9%と高めで、制球に波が出る傾向あり。
そしてFIPが3.02に上昇し、近年若干の成績低下傾向が見られており後半戦やプレーオフでの安定性が鍵になってきます。
2025年シーズン成績(2025年8月4日現在)
勝敗:9勝5敗
防御率(ERA):2.47
投球回(IP):131.0イニング
奪三振:155
WHIP:0.98
平均Exit Velocity:86.4 mph(約139 km/h) Hard-Hit率:32.5% Barrel率:5.8%
速球平均速度:96 mph(約154 km/h)、xwOBA:.281、Ground-ball率がMLB上位



ここにきて上の3人ほど剛腕じゃないピッチャーが出てくるのは新鮮だね。2025年初選抜のオールスター出場おめでとう!



アストロズのエースって感じが少しずつ出てきた感はある!
いかがでしたでしょうか?
どうしてもスクーバルに軍配が上がってしまう現状かなと思いますがまだまだ何があるかわからないと思います。
是非みなさんが思うサイヤング賞候補、これからイチオシのピッチャー等もコメント、X(https://x.com/mlbblog_jp)で教えていただけたら嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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